長岡実業に聞く:ミントの生産地はどこ?

2018.01.15

 長岡実業では、各種ミント(和種ハッカ、ペパーミント系、スペアミント系)を、広大な土地で栽培するインドやアメリカの産地から入手しています。和種ハッカは主に人力で、ペパーミントとスペアミントは機械による農作業が行われています。現地ではどのように生産しているのでしょうか?

和種ハッカは、数千万人が生産に携わる

 和種ハッカは、インド北部のウッタルプラディッシュ州やパンジャブ州などで生産されています。和種ハッカ畑は日本の本州ほどの面積に相当し、およそ数千万人がミントの生産に携わっているそうです。現在、インドで世界の需要の9割以上を満たしています。

ひざの高さまで育て、収穫へ

 現地のインドの農家は三毛作をしており、和種ハッカの栽培が始まるのは2~3月ごろ。前年の根を保管しておき、挿し木で畑に植えて、ひざの高さまで育てます。収穫は6~7月ごろ。人力で刈り取り、集めたミントの束は、水分を飛ばすために畝(うね)のように固めて、乾燥。その後、蒸留釜のある蒸留所に運びます。小さな小屋の中に、釜があります。釜には網が張られ、網の上に葉を、下に水を入れて、直火であたためていきます。

蒸留所の様子。左の釜に葉と水を入れ、右のドラム缶に液体が溜まる

 沸騰すると、水蒸気が葉の間を通り抜け、水蒸気と和種ハッカのオイルの混じった気体が発生します。その気体を冷却して液体に変えると、上澄みにオイルが溜まります。個々の農家で採れるこのオイルを集め、再精製した精油(ハッカ原油)にして輸入しています。ちなみに、1軒の農家から採取できるオイルは、10リットルタンクで数個分です。

 長岡実業の担当者は「蒸留の際に、たとえば雑草が紛れると、オイルの品質に影響します。畑の管理はとても重要です。さらに天然物ですから、天候などがミントの葉の育成に影響する可能性もあります。蒸留の仕組みを整えることで、ハッカ原油の品質が安定するよう努めています」と話します。

地域や品種で香りが異なる、ペパーミントとスペアミント

ペパーミントとスペアミントの主な生産地

コンバインで一気に刈り取る

 ペパーミントとスペアミントの産地は、「ファーウェスト」と呼ばれるアメリカ西海岸、五大湖周辺の「ミッドウェスト」です。栽培から蒸留までの原理はインドと同じですが、アメリカでは機械化されています。収穫はコンバインで一気に刈り取り、輸送は大型トラクター、蒸留が行われるのはコンテナ車の中です。こうして葉から抽出したオイルを集めて、日本に運ばれます。

コンテナ車の中で蒸留を行う

 ペパーミントは産地によって、香りが異なる点がユニークです。「ファーウェスト」で採れるものは、すっきりとした甘い香りが特徴です。さらに「ファーウェスト」の中でも、地域ごとに微妙に香りの違いがあります。最もスタンダードでグリーンな香りの「ウィラメット」(オレゴン州)、清涼感があって歯磨き粉に欠かせない「マドラス」(オレゴン州)、重い甘さのある「ヤキマ」(ワシントン州)といったものがあります。これに対して、「ミッドウェスト」で採れるペパーミントはこってりと甘く、香りに丸みがあります。なお、「ミッドウェスト」には、地域ごとの香りの違いはありません。

スペアミント

ペパーミント

和種ハッカの葉

 一方、スペアミントは、栽培種(スコッチ種、ネイティブ種)で香りの特徴が異なります。スコッチ種のうち、「ファーウェスト」で採れるものはフルーティーかつ穏やかで、甘さを求めるときに使います。「ミッドウェスト」で採れるものはフルーティーかつ荒々しく、力強い甘さを出せます。これに対して、ネイティブ種はスパイシーな香りが特徴です。ネイティブ種の場合は、産地による香りの違いはスコッチ種ほど大きくありません。

 和種ハッカから多く採れるメントールとハッカ油、産地で異なる香りを持つペパーミントオイル、主に品種で異なる香りを持つスペアミントオイル――。これらをブレンドすることで、独自の香りや味を持った、さまざまなミント商品が生まれていくのです。

長岡実業株式会社
http://www.nagaoka-mint.co.jp/

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