小川香料に聞く(1)ミントの香りができるまで

2017.11.28

 ガムやキャンディ、歯磨き粉など、私たちの生活に欠かせないミントの香り。原材料に書かれた「香料」の2文字が、商品の印象に大きく影響します。ミントの味や香りは、どのように作られているのでしょうか。日本を代表する香料メーカー、小川香料株式会社に取材しました。


小川香料舞浜研究所の外観

小川香料舞浜研究所の外観

人物紹介

お話を聞いた人
小原 仁さん フレーバー開発部 シニアフレーバリスト
宮澤利男さん つくば研究所 フレーバーサイエンティスト
糸部尊郁さん 解析研究所 アナリティカルサイエンティスト

お話を聞いた人

左から宮澤さん、小原さん、糸部さん

世界に一つのミントフレーバー

 創業120年余の歴史を誇る小川香料は、現在では国内外に複数の拠点を持つグローバル企業です。食品や飲料などに使われる「フレーバー」と、化粧品やヘアケア製品、芳香剤などに使われる「フレグランス」のほか、香りに関する研究開発でも業界をリードしています。中でもミントは得意分野の一つで、フレーバー、フレグランスともに多くの商品に使われています。

 香料づくりは完全オーダーメイド。営業スタッフがクライアントのニーズを把握することから始まります。「まったく新しいミント味」「おしゃれで明るい感じ」など漠然としたイメージを具体的な言葉に変え、誰もが共感できるイメージにするのが営業の腕の見せどころ。用途やターゲット層、ブランドイメージなど、さまざまな情報とあわせてフレーバリストやパヒューマーと呼ばれる調香師に伝えます。

打ち合わせイメージ

打ち合わせを重ね、香りのイメージを共有していく

 打ち合わせで複数の種類の香りを提案し、それを何回か繰り返して求められるイメージに近づけていきます。シニアフレーバリストで、ミントを専門とする小原さんは、「一口にミントの香りといっても、一つとして同じ香りはありません」と言います。どれも世界に一つしかないミントフレーバーです。

原料調達から製造までワンストップ

 調香師は、品種や産地によって異なるミントの香りをブレンドしたり、フルーツやスパイス、ほかのハーブの香りを加えたりして香りを調えます。中にはごく微量で香りのイメージをがらりと変える素材も。「入れすぎると逆効果なので、さじ加減が重要です」と小原さん。その際、欠かせないのが香り成分の分析データです。解析研究所で香り成分の研究をしている糸部さんは、「どの成分がどのくらい利いているのかをデータで示すと、お客さまにも理解されやすい」と言います。

ミントには様々な種類がある

ミントには様々な種類がある

 調香した香りは、ガムやシャンプーといった実際の商品に近い試作品を作って確認します。最終的にOKが出ると、工場で量産を開始。用途に合わせて粉末や液体などの香料製剤にして納品します。

 小川香料の強みは、原料の調達から香料の製造まで自社で行えること。
 素材開発の拠点つくば研究所で働く宮澤さんは、「調香だけでなく、香り成分の抽出から製剤化、試作品作成、素材開発といった幅広い技術を所有していることでお客様の様々なニーズに対応した商品開発ができる」と言います。

 時代とともに市場のニーズも変化しています。例えば、オーラルケア製品ではペパーミントの甘さやボディー感、コクが重視され、食品では高甘味度甘味料が多く使われることもあり、清涼感の強い香りが好まれる傾向に。「今後も、皆様に愛されるミントの香りを作りたい」と小原さん。今日も新たな香りが生まれています。

「小川香料に聞く(2)ミントの香りを科学する」に続く

小川香料株式会社
https://www.ogawa.net/indexs.php

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