エベレスト初登頂のエネルギー源 イギリス発「ケンダル・ミントケーキ」

2018.02.23

 イギリスで最も自然が美しいと評される湖水地方。その南の玄関口といわれるケンダルの町は「ケンダル・ミントケーキ」発祥の地としても知られています。ケンダル・ミントケーキは、約150年前に誕生したお菓子ですが、今でも登山者やハイカーたちを中心に人気があります。


ケンダルの町 photo by Humphrey Bolton(Wikimedia Commonsより

失敗から生まれた!?

 ケーキと名がつくので、ふわふわのスポンジケーキかと思いきや、ケンダル・ミントケーキはミント味の砂糖菓子。さまざまな形のものが売られていますが、板チョコのように平らに固められて、小さく割って食べられるよう溝がついているタイプが一般的です。

ケンダル・ミントケーキ photo by Yohan euan o4(Wikimedia Commonsより


 レシピは、1869年に菓子職人のジョセフ・ワイパー氏が考案したといわれています。ワイパー氏のミントケーキを受け継いでいるお菓子店「Romney’s」のホームページによると、ケンダル・ミントケーキは、ワイパー氏がお菓子作りに失敗したことから誕生したと書かれています。

最も手軽で人気があった

 このケーキを一躍有名にしたのは1953年5月29日、英国遠征隊のエドモンド・ヒラリー卿とテンジン氏が人類初のエベレスト登頂を達成したとき、登山中のエネルギー補給源として、ケンダル・ミントケーキを食べていたというエピソード。
 当時、登山チームの一員が「ケンダル・ミントケーキは、我々が携行した食糧の中で、最も手軽で人気があった。ただ、十分な量を持って行かなかったことだけが悔やまれる」と明かしたことで、人気に拍車がかかったそうです。

エベレスト登頂を達成したヒラリー(左)とノルゲイ(右) 1953年5月29日 photo by Jamling Tenzing Norgay(Wikimedia Commonsより

 ほかにも多くの登山家や探検家たちがケンダル・ミントケーキを携行したことから、現在でも、登山やハイキングのお供として親しまれています。

 現在は、ブラウンシュガーで作られたものや、チョコレートでコーティングされたものなども売られています。日本ではなかなか手に入りませんが、イギリスへ行った際にはぜひチェックしたいお菓子です。

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