日本人向けキューカンバーサンドイッチに感激

2018.01.25

 英国オックスフォードから、マダムノリコがお伝えするミントのある暮らし。今回は、80歳のご婦人からティータイムにおよばれしたお話を中心にお届けします。英国伝統のキューカンバーサンドイッチやミンスパイなど、おいしい話題も盛りだくさんです。

 火曜は地元のコーラスグループの練習日。私にとっては歌だけでなく、英会話の練習と友だちづくりのチャンスです。
 ある日の休憩時間、隣に座った年長のご婦人と「お正月料理」の話でもりあがり、「もっとお話ししましょうよ。うちへお茶しにいらっしゃい」と誘われました。
 「80歳になると、あと何回発表会に出られるかな、と考えるわけ。だから、歌えるチャンスはのがさないわよ」と背筋をのばす彼女は、年齢よりずっと若く見えます。難しいロシア語やドイツ語の歌詞もこなし、曲の背景をしっかり調べてくる勤勉家。身長157cmの小柄な体には、旺盛な好奇心と向上心が収まらないようです。
 彼女のパワーの秘密を知るチャンス。喜んで、翌週の午後に訪問する約束をしました。

リラックスできるカジュアルなお茶会!

『不思議の国のアリス』の挿絵から、「アリスのお茶会」(絵・ジョン・テニエル)。このお話はオックスフォードで生まれたんですよ

 「英国人宅でお茶」というと、マナーが気になるところ。『不思議の国のアリス』の一シーンが頭にうかぶかもしれません。でも実際はカジュアルです。お茶は、おいしくいれることにこだわりますが、マグカップでどーんと出すのが普通。あとはクッキーでもあれば十分で、リラックスしておしゃべりを楽しみます。

 お茶菓子といえば、英国ではクリスマスから1月上旬まで、どこに行っても「ミンスパイ」が登場します。一口か二口サイズのパイには、ドライフルーツのミンス(=みじん切り)とスパイス、ブランデーを混ぜてねかせた「あん」がつめてあります。
 お菓子屋さんやスーパーでも買えますが、自家製のミンスパイは、各家庭の工夫が味わえて楽しいものです。

ミント入りブラックティーとミンスパイで、我が家でもティータイム

 今回ごちそうになったのも、お約束のミンスパイ。そして何と、手作りのキューカンバーサンドイッチも! 「それって、キュウリしか入ってないんでしょ」と思うかもしれませんが、キューカンバーサンドはおしゃれで高価な「アフタヌーンティー」にも登場する、英国伝統のスナックです。

マダムノリコ向けに伝統のレシピをひと工夫

 さて、昔ながらのレシピは、キュウリを白ワインビネガーと塩、黒コショウで味を調え、バターで風味を加えたシンプルなものです。でも一口食べた私は、予想外の風味に目をみはりました(うわー爽やか! 何この香り? 少しピリッとして、どこかなつかしい)。
 彼女は日本人の私のために、伝統のレシピに、ミントの風味とわさびの刺激を加えてくれたのです。さっそく作り方を聞きました。いつもの材料のほかに、フレッシュミントとねりわさび、はちみつとマヨネーズが必要です。
 イギリスでは”SUSHI”はポピュラーで、チューブの「ねりわさび」も、常時スーパーの棚に並んでいます。ミントと一緒に買って帰りましょう。

■ミント入りキューカンバーサンド(わさび風味)の作り方
1.マヨネーズ(大さじ2)とはちみつ(大さじ1)、ねりわさび(小さじ1)、黒コショウひとふりをよく混ぜあわせる。
2.キュウリ(日本のキュウリなら1本)をスライスする。歯ごたえのある厚さにするか、薄く切るかは、お好みで。
3.ミントの葉(好きなだけ)を洗い、キッチンペーパーで水気を取る。
4.サンドイッチパン4枚の内側の面にバターをうすく、まんべんなく塗る。
5.4の上に1をうすく、まんべんなく塗る。
6.5のパンの2枚に、2のキュウリをたっぷり並べる。
7.6の上に3のミントの葉を並べ、黒コショウをひとふり。
8.7の上に残り2枚のパンを重ねてふたをする。
9.できあがったサンドイッチを、適当にカットする。

 伝統的な盛り付けでは、パンの耳を切り落として4等分しますが、家族や友だちとのティータイムなら耳つきもOK。
 英国産キュウリは直径4~5cm・長さは30cm超と巨大なので、なかなか食べきれず持てあましていましたが、このサンドイッチにはまると、冷蔵庫の在庫がどんどん消費されます。

 この組み合わせは、わさびの刺激をはちみつがほどよく和らげ、マヨネーズのまろやかさがミントの爽やかさをひきたてます。それらがみずみずしいキュウリの食感とあいまって、すてきなハーモニーが生まれます。

 冬のオックスフォードは、3時をまわるとすぐに日が暮れて、暗さにうんざりすることもあります。でも熱いお茶といっしょにいただいたミント入りキューカンバーサンドは、一時、爽やかな初夏の日ざしをまぶたによみがえらせてくれました。

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