ハーブガーデンの農場長が教える「ミントの品種17種を大解説!」

2018.04.20

 山梨県北杜市にある日野春ハーブガーデンでは、さまざまな品種のミントを育てて販売しています。ミントの魅力は品種が多く、見た目や香りなどがそれぞれ違って楽しめることです。いろいろな品種を栽培してみたいという方は、意外と男性のほうが多いんですよ。農場長の下司高明が、代表的なミントからちょっと珍しいものまで17種類を解説します。

代表的な種類は4系統ある

 ミントの品種は、植物学の観点から見ると大きく分けてペパーミント系、スペアミント系、アップルミント系、オレンジミント系、その他に分類できます。

●アップルミント系
 アップルミント系はよい香りが特徴で、2種類あります。

上から、アップルミント、パイナップルミント(斑入り入りアップルミント)


 アップルミント(学名Mentha suaveolens)は、フルーティーな香りと味で、ハーブティーや料理に最適です。最も生育が旺盛なので、庭植えをするときには増えすぎないように、周囲をアクリル板や波形トタンで囲むなどしましょう。
パイナップルミント(M.suaveolens Variegata)は、アップルミントの斑入りタイプで、パイナップルのさわやかな香りが特徴です。アップルミントに比べると弱い性質のため、増えにくいミントです。

●スペアミント系
 スペアミント系は、3種類。香りが強すぎず、料理やカクテル使いに向いています。

上からケンタッキーカーネル・ミント、イエルバブエナ


 スペアミント系のイングリッシュ・スペアミント(M. spicata)は香りが強すぎず、扱いやすい品種です。ハーブティーや料理使いに向いています。ケンタッキーカーネル・ミント(M. spicata .Kentucky Colonel)は、アップルミントとスペアミントの交配種。すっきりとした上質な香りで、こちらもハーブティーや料理に最適です。
イエルバブエナ(M.nemorosa)は、キューバ発祥のカクテル、モヒートに使われるミントです。ほかのミントに比べてほんのり青みがかった葉が特徴です。

スースー感の強いもの、オレンジのような香りがする品種も

●ペパーミント系
 ペパーミント系は、ほかの品種よりも強めの風味が特徴です。ブラック・ペパーミント、キャンディ・ミント、スイスリコラ・ミントの3種を紹介します。

上から、ブラック・ペパーミント、スイスリコラ・ミント

 ブラック・ペパーミント(M.piperita cv)はミント特有のスースー感のもととなるメントール成分を多く含んでいて、香りも強いのが特徴です。キャンディ・ミント(M.piperita cv)は、外見はブラック・ペパーミントと似ていますが、ほんの少し甘い香りがします。かつてはお菓子作りの材料に利用されていました。
スイスリコラ・ミント(M.piperita ‘Swiss Ricola’)は、強い風味で清涼感のあるミントです。スイスではこのミントからとれた精油を使ってハーブキャンディが作られていました。

●オレンジミント系 
 オレンジミント系は、ペパーミントの変種です。その中からオレンジミント、オーデコロンミント、レモンミントの3種を紹介します。

上から、オレンジミント、オーデコロンミント、レモンミント

 オレンジミント(M.piperita f.citrata)は、ペパーミントの変種で全体にオレンジのような柑橘(かんきつ)系の香りが強いのが特徴です。オーデコロンミント(M.piperita f.citrata)は、別名ベルガモットミントとも呼ばれ、オレンジミントとよく似ています。
レモンミント(M.piperita var.citrata cv ‘lemon’)は、レモンのようなフルーティーで清涼感がある香りが特徴。性質は比較的弱く、地植えしても広がりにくいミントです。

バナナの香りがするものや花を楽しめるミントも

●その他の品種
 その他の品種として、バナナ・ミント、グレープフルーツ・ミント、ペニーロイヤルミント、コルシカンミント、ハッカ・ホクト、ヒメハッカの6種を紹介します。

上からバナナ・ミント、グレープフルーツ・ミント、ハッカ・ホクト

 バナナ・ミント(M.arvensis ‘Banana’)は、葉を噛んだりもんだりすると、ほんのりバナナの香りがします。冬場は休眠が深く地上部がなくなる品種です。
 グレープフルーツ・ミント (M.piperita f.citrata ‘Grapefruit’)は、ほかの品種よりも葉が大きめです。グレープフルーツの香りや風味が特徴。通常、ミントを栽培するときは、自然交配を避けるため、花は咲く前に摘んでしまうのですが、グレープフルーツ・ミントの花は美しいので切り花やドライフラワーにして楽しむのもおすすめです。
 ほかにも花を楽しめる品種として、ペニーロイヤルミント(M.pulegium)とコルシカンミント(M.requienii)があります。どちらもピンクのかわいらしい花を咲かせます。
 ペニーロイヤルミントは、花の時期は草丈が30センチほど伸びます。一方、コルシカンミントは、小さな葉が苔(こけ)のように地面を覆うタイプ。夏季のムレに弱いので、こまめに株分けが必要です。

 また、日本原産や育成されたミントもあります。ハッカ・ホクト(M.arvensis var piperascens‘Hokuto’)は北海道・北見で育成された品種です。日本ハッカと洋種の交配種で、精油がたくさんとれるため、多く栽培されました。
ヒメハッカ(姫薄荷/M.japonica)は、日本に自生する在来のミントです。まろやかな香りを持っていますが、近年、絶滅が心配されています。

 いかがでしたか。ミントは、みんな同じようでもそれぞれに特徴があり、料理に使ったり、お茶にしたりなど、生活の中で便利に利用できる身近なハーブのひとつです。コツさえつかめば初心者でも栽培しやすいと思います。
 栽培のシーズンはこれからです。ぜひ、チャレンジしてください!

下司高明(げじ・たかあき)[プロフィール画像]

下司高明(げじ・たかあき)

日野春ハーブガーデン(山梨県北杜市)の農場長で、ハーブ栽培のスペシャリスト。日野春ハーブガーデンは、一般的なハーブから特種なものまで数多くの品種を手がける国内有数のハーブ園で、全国からハーブファンが訪れる。
【日野春ハーブガーデン】
http://www.hinoharu.com/

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